Juntos【ふんとす】の案内
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星場眞人 [ 徳島県上勝町まちづくり推進課 課長 ]
【フントス24号〜28号に掲載】
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はじめに
最初に自己紹介。私は1949年に高鉾村で産湯を使いました。私の家は貧乏百姓でしたが高鉾村は温州ミカンの産地で好景気に沸いていました。私の夢は農業改良普及員になることでしたが叶わず、都落ちして自宅に帰り地元の上勝町役場に就職しました。
そもそも体育会系の私には 「毎日、机に座り続ける事務吏員など務まるわけがない」 というのが本音で、就職当初は青年会活動とスポーツ漬けで明け暮れていました。その影響もあって多くの友人に恵まれ、各課の職場を転々と異動してきましたが常に、順調ならばそれなりに、困ったときは何処からともなく協力者が現れ、ことごとく助けられて今日に至ったと思い、本当にありがたいことだと感謝しております。
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上勝の特産は 「彩 (いろどり)」 ?
さて、上勝町と言えば真っ先に思い出すのが 「彩 (いろどり)」 の事業でしょう。巷では高齢者の葉っぱビジネスと称されていますが、山野草の花や葉っぱを日本料理のツマモノとして出荷しているのが、この彩です。
1981年2月26日、上勝町の2.26事件が起こりました。今からちょうど50年前の昭和30年、昭和の大合併で高鉾村と福原村が合併して上勝町が誕生しました。高鉾村は温州ミカン、福原村は林業の町として全盛を極めていた頃です。2.26事件とは、町の主要産業である温州ミカンが空前のマイナス13度という寒凍害により全滅したのです。これを転機として上勝町の産業は大きく変化してきました。
最初はミカンの後作に金時芋を作付けましたが、大失敗。土地が肥えすぎていたのです。人の頭ほどもある芋に育ちました。焼き芋用にはグロテスク。市場に出荷しても売れないからと断られてしまいました。困った末に切り干し芋に加工して出荷しましたが、これが大ヒット。その後にも夏ワケギ、ウド等の山菜類、しいたけ等のヒット商品が続きました。
そして彩の出荷はホームランと言えるでしょう。軽薄短小と言われる商品開発が進められたのはいつの頃だったのか忘れましたが、まさしく彩がそれを象徴しており、高齢者や女性に人気のあることがわかります。なんてったって、柿の落ち葉が一枚200円、梅の小枝が一本500円等と聞けば、誰だって耳を疑いますし、性悪たぬきに騙されていると思うでしょう。そして次に、自分もやってみようと思うのは当然の成り行きでしょう。
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「いろどり御殿」のツネコおばあちゃん
そんな中で今、最も売れっ子のおばあちゃんたちがいます。毎日どこかのテレビに出ているツネコおばあちゃん (針木ツネコ ・ 82歳) と増喜子おばあちゃん (菖蒲増喜子 ・ 79歳) です。この近所に住む二人は下手な芸能人よりも出演回数がはるかに多いと言われています。
このツネコおばあちゃんは、テレビでも 「横浜に住む孫の新築住宅に頭金を全部出した」 とか、 「同居する孫の住宅はおばあちゃんのお小遣いで建ててあげた」 「自分もいろどり御殿に住んでいる」 等々のすごい御殿話で持ちきりのおばあちゃんですが、本当は素顔がとても可愛いのです。
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上勝町役場
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