集合住宅団地における孤立を防止する地域の連携に関する調査研究事業
平成25年度セーフティネット支援対策等事業費補助金(社会福祉推進事業分)
|
|
|
|
事業実施目的 |
高度経済成長とともに、各地の中核都市を中心に数多く建設された集合宅団地
であるが、入居者の年代構成が特定の世代に偏っていたこともあり、近年、急激
な高齢化の問題にさらされている。
高齢化と人口の減少による自治会などのコミュニティ機能の衰退や単身高齢者
世帯などの孤立に陥りやすい層の増加など、日本社会全体の問題を先取りした形
で表出している問題に対し、さまざまな取り組みを行っている団体・組織につい
て、昨年度の本事業「集合住宅団地におけるコミュニティと相互扶助に関する調
査研究」において、調査・検証を試みた。この研究の進展のなかで、ある活動主
体に対し、それを周囲で支える支援者・機関の厚みが活動の広がりや継続性に大
きな影響を与えていることが示唆された。
今回研究事業については、集合住宅団地単体の活動に着目するのではなく、よ
り広い集合住宅団地を含むエリア(例えば小学校区や連合自治会区域)での、さ
まざまな団体や地域組織との連携のなかで、孤立防止をはじめとした集合住宅団
地の課題に取り組んでいる事例を発掘し、その活動の契機や問題意識のあり方、
各団体の連携・活動の方法等を分析、整理を行う。この際、URや公営住宅のみな
らず、まだあまり挙がってきていない民間分譲・賃貸マンション等の事例の収集
にも意を配るものとする。また、阪神等における災害公営住宅も、通常の集合住
宅団地の倍の高齢化率・要援護者の多いケースとして、取り上げる。
これらの調査対象のなかから、先駆的な事例については、ガイドブック・DVD
にまとめ、広く全国に普及・啓発を行うことを目的として実施する。これは、団
地コミュニティのみならず、支え合い機能の減退などにより、孤立化の進行に悩
む地域コミュニティにも一つの道筋を示すものになると思われる。 |
事業実施計画 |
1. 研究委員会の設置
地域活動実践者、社会福祉協議会・市町村担当者、研究者などにより構成する委員会を設置し、集合住宅団地における課題と、その支援活動のあり方を議論するとともに、実態調査の検討および評価を行う。
委員会は、計4回程度開催予定。
委員長には、日本福祉大学社会福祉学部の児玉善郎教授に就任いただく。
2. 実態調査の実施
全国10カ所程度の先進事例を抽出し、訪問調査を行う。調査方法や項目など詳細は、委員会により協議・決定する。
3. 事例検討会の開催
全国の事例をもとに、集合住宅団地コミュニティと地域との孤立防止に向けた連携のあり方を討議・検証する。
東京周辺を開催地とし、現地の実践をはじめ、全国の集合住宅団地におけるこれからの支援を議論する
4. 実践事例集とDVDの作成
全国の先駆的な実践を分析し、その成り立ちや実現できている背景などを実践ガイドとしての実践事例集(ガイドブック)と視覚に訴えるDVDを作成し、全国すべての都道府県・市区町村行政及び社会福祉協議会に配付し、実践の理解と普及に寄与する。
|
実施予定期間 |
平成25年7月30日 から 平成26年3月31日 まで |
補助額 |
13,457,000円 |
|
|
|