集合住宅における孤立を防止する「つどい場」機能についての調査研究事業
平成26年度セーフティネット支援対策等事業費補助金(社会福祉推進事業分)
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目的 |
本事業において、当団体では昨年まで、集合住宅団地におけるさまざまな相互扶助等の事例を収集・調査してきたが、その研究の過程において、集合住宅住民の絆づくり、コミュニティ形成に際して、『つどい場』が重要な役割を果たしているケースが多く見受けられた。この『つどい場』は、形態としてはサロンであったり、食事会や定期・不定期のイベント、サークル・趣味活動であったり、また開催の場としては、集会所であったり、空き店舗利用、さらには住民自身の自宅であったりとさまざまであった。そこで、今回の研究事業では、このような『つどい場』を活用し、集合住宅での孤立防止、つながりづくり、コミュニティ形成につなげている各地の活動事例を取り上げ、その『つどい場』の機能や成立経緯、効果などの検証・整理を行う。
事例検討の対象として、高度経済成長期に多数建設された公営・UR住宅等における「つどい場」運営の事例だけでなく、これから本格的な高齢化問題が顕在化してくる民間分譲マンションの事例にも意を配るものとする。民間分譲マンションは、共有スペース等の私権の問題も絡むため、「つどい場」を運営する上での合意形成の困難性が想定されるため、公的住宅とは異なる民間特有の課題克服の事例として検討する。
また、急激な人口増加に対応するため一時期に大量に整備され、その後の急激な人口減少により、地域内の各集合住宅団地の住棟内に空き住戸が増大するなか、居住者が点在する形で残された過疎地旧炭鉱自治体の公営住宅も、深刻な孤立化の事例として、その問題克服に向けた取り組みについて取り上げる。さらに、阪神・淡路大震災被災地等における災害公営住宅についても、通常の公営住宅の倍の高齢化率・要援護者の多いケースとして着目し、取り上げる。
この旧炭鉱住宅や阪神・淡路等の災害公営住宅の検討から得られる知見は、現在着工が進んでいる東日本大震災被災地での災害公営住宅の供給のあり方、入居
者のつながりづくりやその支援のあり方に示唆を与えると考えられる。
これらの収集・検証した事例から、先駆的・波及効果大と認められるものについては、ガイドブック及びDVD映像にまとめ、広く全国に普及・啓発を図るとと
もに、東日本大震災被災地における災害公営住宅での今後の取り組みに対して、施策提言を行うことを目的として本事業を実施する。 |
内容 |
1.研究委員会の設置(平成26年6月〜)
市町村担当者、研究者などにより構成する委員会を設置し、集合住宅における孤立防止への取り組み活動のあり方を議論するとともに、実態調査の検討および調査結果の評価を行う。また、施策提言の内容についても検討する。
委員会は、計4回程度開催予定
委員は、委員長含め6名で構成。
2. 実態調査の実施(平成26年7月〜平成27年2月)
全国10カ所程度の先進事例を抽出し、訪問調査を行う。調査方法や項目など詳細は、委員会により協議・決定する。
3.事例検討会の開催(平成27年1月〜2月頃開催)
全国の事例をもとに、集合住宅における孤立防止のあり方に関する活動事例を討議・検証する。研究対象より、4事例程度の活動報告と討議。
4.実践事例集とDVDの作成(平成26年10月〜平成27年3月)
全国の先駆的な実践を分析し、その成り立ちや実現できている背景などを実践ガイドとしての実践事例集(ガイドブック)と視覚に訴えるDVDを作成し、全国すべての都道府県・市区町村行政及び社会福祉協議会に配付し、先駆的実践の理解と普及に寄与する。
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補助額 |
12,302,000円 |
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