地域共生社会の包括的な支援体制の構築に向けては 、「断らない相談支援」、「参加支援」、「地域づくりに向けた支援」の3つの支援を一体的に 実施してゆく方向性が打ち出され ている が、 「 地域づくりに向けた支援 」 については 、 福祉分野にとどまらず、まちづくりや地域産業との連携、地方創生等も視野に入れて展開を行っていくことが示されている。
近年、サロン開催などの単なる地域の交流の場にとどまらず、同じ場所に相談員等を常駐させたり、地域の自治組織の事務局を置いたりする多機能型拠点とでも呼ぶべき拠点が増えてき ている。これは、 NPO を含めた住民組織が中心となることもあれば、自治体が地域マネジメント や地域福祉 の一環として、広域的に展開をする場合もあ
り、さらには、介護事業所や社会福祉法人が、事業所に併設の形で、多機能化した地域の拠点を設置することもある。地方創生における「小さな拠点」も同様な取組みと言え、 サロン等の集い・交流の場、自家用有償 旅客 運送や地域スーパーなどの地域生活支援 、 地域運営組織の事務所や6次産業の拠点など、社会参加・地域活性化の 場も含め 、各 地域で必要とされるさまざまな 事業の組み合わせが見受けられる。
このような小さな拠点を含めた地域づくり や地域生活支援 に貢献している多機能型地域拠点の取組みを収集・ 検証 し、 機能を整理、活動のポイントを抽出する。この際、 自治体施策として地域づくり・地域マネジメントを 目的に多機能拠点を面的展開している事例もとりあげる。これらを通して、 福祉的 見地 のみならず地域コミュニティ支援も含め た 、 地域共生社会の実現に資する 福祉と地域づくりに関係する他分野との効果的な連携の可能性を探る。
以上の過程をまとめ、わかりやすく解説を附したガイドブックを作成し、全国市町村に送付、多機能な拠点を活用し た地域づくりの促進を図る。 |