平成23年3月11日の震災後、石巻市民の暮らしは大きな変化を余儀なくされました。2年半が経過し、市民の中には生活環境の変化などによって認知機能の低下が生じて、日常生活を営むことに少しの援助が必要になったご高齢の方や、仮設住宅の生活にストレスが高じて心身のバランスが崩れがちになった方など、何らかの理由でご自分や家族の力だけで日常生活を送ることが困難になった方がおられます。
石巻市は、こうした被災者の自立支援を目的に「あがらいん」を設置し当法人が運営を受託しました。さまざまな事情を抱えた方が「一定期間の居住」や「通い」利用を通して、次の生活場所への移行準備をしています。
厚生労働省“地域支え合い体制づくり”予算で運営される福祉仮設住宅「あがらいん」の特徴は、既存の福祉制度にのっとっていないことにあります。そのため、入居利用は市の福祉総務課とあがらいんの協議により決定し、支援は地域住民の協力をはじめ、市立病院開成仮診療所や保健師、社協の見守り隊、地域包括支援センターや各制度のケアマネジャーや相談員など、さまざまな社会資源との連携のもとに行われています。
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「あがらいん」は1,882戸を抱える被災地最大規模の仮設住宅街の中心部に立地しています。地域食堂や映画会など気軽に集える場の提供を通して地域住民の暮らしの支援にも取り組んでいます。こうした関わりの中で、あがらいんの利用者と地域の方々の交流がごく自然な形で生まれています。
私たちの運営は、地域の方々にも支えられています。そして、仮設住宅で暮らしている方々にとって、今の暮らしがただ辛い体験として記憶に残るのではなく、「あの時があったから、今があるね」と、将来の暮らしの支えになるような時間となるよう、お互いさまの関係の中で一緒につくっていきたいと願っています。そうした取り組みを多くの方々と共有していきたいと思っています。 |
●所在地
〒986-0032
宮城県石巻市開成1-5 開成公園グループホーム3号棟・4号棟
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●アクセス
JR仙台駅から高速バスで1時間30分で石巻へ。
石巻営業所下車。詳しい時刻や、営業所からあがらいんまでのアクセスは個別にお伝えいたします。 |
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