既存施設においてユニットケアに取り組んでいる実践者が、介護報酬の大幅な改定という状況下で、実践を続けていくための方法を見出せなくなっています。「現状をなんとか変えたい」という熱意と努力だけでは、克服できない課題を抱えています。
既存施設でユニットケアに取り組む意義と役割を考え、今後も継続していくために、介護報酬の設定ならびに加算等の支援を以下の条件でご検討いただきたく、ここに提案いたします。
1.生活単位と介護単位の一致(10人前後)
生活単位と介護単位の一致
生活単位はおおむね10人前後
2.日中介護者3人
日中介護者3人
職員の配置は1つの介護単位につき、最低日中3人が勤務する
夜勤に関しては特に限定はしないが、より良いサポートと、関わりをより必要とされる方
のため、1生活単位に1人の夜勤が望ましい
3. 個別ケア(ライフサポート)
ケアプランに基づいて個別ケアを実施する
ケアプランでの個別ケアとは
- その人が日常生活を送るうえで、できないところ、困難を感じるところを補う
- その人が従来持つ、他者との関係を維持し、必要に応じて新たな人間関係構築の支援を行うことを意味する
4.都道府県または市町村、圏域を単位とする施設ネットワークに参加し、質の向上を図る
定期的な実践発表
相互評価と公表
何よりも利用者の意向にそった、今できるあらゆるところからの具体的な改革を進める必要が、介護保険施行から 6 年目を迎え、とみに高まっていると感じます。
当研究会も、実践づくり、質の向上の支援、人づくり、仲間づくりに追われ、大切な既存施設の評価に関しては、前回の改定に際して意見書を上梓して以降は、十分な検討を行えないままにきました。しかし、既存施設におけるユニットケアの取り組みは、これからの施設改革において、重要な位置を占めていると感じます。
施設はそのあり方の根本からの見直しとともに、サービス提供の具体化を迫られています。それは、建物のかたちを変えることからではなく、ケアのあり方など、今すぐできることでの対応であると考え、以上のような条件を基にした支援を提案いたします。 |