99年に「第1回ユニットケア全国セミナー」を開催し、その中でユニットケアという新しい考え方を広く世に問うてから、すでに8年を数えます。この間、ユニットケアは国の施策として採用され、全室個室とともに今や居住系施設のスタンダードとして捉えられるまでに至っています。
ユニットケアはまず、施設に入居するお年寄り(以下、「お年寄り」と表現します)と介護職員との関係を変えました。より小さな空間の中で、介護職員が、お年寄り一人ひとりの身近な存在として関わりをもつことにより、お年寄りの細かな変化に気づき、そのニーズに応えることができるようになりました。次に、施設内の環境を変えました。生活の場としてより強く意識されるようになり、できるだけ落ち着ける空間づくりが模索されるようになりました。さらには、ユニットケアは施設の組織そのものにも影響を与えるようになりました。お年寄りの思いに、より柔軟に応えるために、現場の職員に少しずつ大きな権限が与えられるようになりました。
ユニットケアはまさに、従来の施設での暮らし方と介護のあり方を大きく変るきっかけとなりました。しかし、ユニットケアはまだまだ課題を抱えています。そうした課題の解決に向け、この実行委員会では、以下の3つの柱を訴えていくことを宣言いたします。 |