もくじ
互助の持続可能性を高めるための地域づくりのあり方に関する調査研究
厚生労働省老健局 令和6年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)
目的

 介護予防・日常生活支援総合事業や生活支援体制整備事業にあっては、住民同士が支え合う「互助」があることを前提に、それを支援・ 強化し、地域住民自らが問題意識をもって課題解決することのできる地域づくりを進めることとしてきた。
生活支援コーディネーターの別名が、地域支え合い推進員であることは、その表れと言える。
 他方、団塊の世代以降の世代にあっては、それ以前の世代と比較して、「地域」を意識して生活しておらず、地域活動に価値を見いだして いない・活動する意思が弱いことも想定され、これまで地縁組織等を基盤とした互助による活動を続けてきた地域であっても、地域活動の 後継者不足等により、互助の基盤を地域で持続可能なものとしていけるのかについて課題が生じている。
 このため、令和5年度事業(変化していく高齢者像を見据えた地域住民が支え合う地域づくり推進のための生活支援コーディネーターに求 められる機能に関する調査研究事業)では、住んでいる地域に対する意識等に係る現役世代地域住民へのヒアリング調査、将来的に高齢 者等の地域での生活を担保する上で、互助の果たす役割が小さくなると想定されることに対して、どのような対応が考えられるか等を検討 するシンポジウムを行い、その中で今後の生活支援コーディネーターに求められる機能等についての提言を行った。
 令和5年度事業の中で、地域活動になじみのない団塊の世代以降の世代であっても、子育て等日常生活上の関心事項を通してみれば 地域を意識しやすいことや、高齢者を含めた多世代による地域活動に関わることでの生活上のメリットや、他世代との互助関係を感じる 場合もあること、一見高齢者とは関係がないように思われる地域活動であっても、高齢者の生活支援や介護予防に大きな効果を与えてい る場合もあること等が明らかになったことをふまえ、団塊の世代以降の世代にも、自身が生活する上で必要であると考える観点から地域 に目を向け、活動することを促し、多世代による地域の互助の持続可能性を高めるために、地域づくりを行う上で生活支援体制整備で どのような対応が考えられるか、検討を開始する必要がある。
 このため、本事業では、昨年度事業の成果を踏まえたうえで、有識者による委員会を設置し、以下を実施する。
@地域住民や地域活動に参加する者へのヒアリングやグループディスカッションを通じた、団塊の世代以降の世代の日常生活上の関心 事項やそれに対応する地域活動の実態等の把握。
A多世代・多様な価値観を有する住民とともに活動を行っている団体や、住民活動に対する支援を行う行政等を対象に、団塊の世代以 降の世代は、どのような観点であれば地域に目を向け、活動の動機となり得るのか、仮に地域においてこれまでのような互助が期待でき ない場合、互助に代わる仕組みはあるのか等を議題とするフォーラム等の開催。
@Aで導き出された課題等を踏まえた、今後の地域づくりにおいて必要な対応等についての提言を報告書に取りまとめる。

内容 1.研究委員会の設置
2.特定地域を抽出した地域住民意識調査(フィールド・ヒアリング調査)
3.多世代・多様な視点から地域の協働を考えるフォーラム(仮称)の開催
4.報告書の作成

成果物
準備中